
「町医日碌」と題して町医者の日記を随時掲載しております。
去る8月に、2017年4月の開院以来、約8年6ヶ月で内視鏡検査件数が9000件に到達しました。
複数回検査される方がいますので延べ件数ですが内訳は上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)が約6000件、下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)が約3000件となっております。
そしてこの約1年間の集計で上部では早期胃癌7例、進行胃癌3例、食道癌2例を発見し専門病院を紹介しました。
また41例のHelicobacter pylori(ピロリ菌)感染を診断し除菌治療を行いました。
下部におきましては4例の早期大腸癌と1例の進行大腸癌を発見、101例の腺腫(ポリープ)を検査中に切除しました。
当クリニックで切除の難しいポリープと癌症例の紹介先は兵庫県立がんセンター、神戸市立西市民病院、神戸大学附属病院、薫風会佐野病院等、内視鏡手術やロボット手術のスペシャリストが在籍している病院を患者さんの病態とご希望を聞き適宜適切に選択しております。
さて、わたしは内視鏡専門医として最も大事なこと、診療の目標とすべきことは病変を確実に診断し適切な治療に繋げることと検査に伴う偶発症(事故)を絶対に起こさないことであると考えておりますので、これまでの9000例の検査で一例の偶発症もなく多くの疾患を診断できましたことで、ある程度まで実践できていると思います。
そして、これまでの業績はもちろんわたし一人でできたことではなく5人の看護師と4人の事務職、9人のスタッフのサポートがあるおかげですので全員にとても感謝しております。
次の目標は10000例ということになりますが現代の医療画像診断でAIの進化は著しく、内視鏡画像においても今後導入が必須となると言われています。ということでわたしのクリニックでもAIの導入を視野に入れながら今後も日々精進、努力してまいりたいと考えます。
著者:みむら内科クリニック 院長 三村 純(みむら じゅん)