胃癌の最大の原因はピロリ菌感染と確認されております。
この約20年で劇的に治療が変わった疾患のひとつがピロリ菌(Helicobacter pylori)感染とそれに伴う疾患です。
ピロリ菌は50歳以上の日本人では50%以上が感染していると推定されており、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、そして胃癌の大きな原因のひとつであることが確認されております。
また血小板減少性紫斑病のような消化器以外の疾患にも関与していることが判明しております。
全く症状がないのにピロリ菌感染→萎縮性胃炎→胃癌となることもあり、胃癌は現在も数多い癌のひとつですから50歳以上の方には内視鏡検査とピロリ菌の検査が推奨されております。
ピロリ菌感染が確認されましたら除菌が必要です。胃潰瘍、十二指腸潰瘍は除菌することによって90%以上の方は完治します。
また、すでに除菌をされた方におかれましても数年に一度の内視鏡検査をお勧めいたします。
1.採血や採尿して抗体を調べる検査
2.検査薬を服用した後に呼気を調べる検査
3.便中の抗原を調べる検査
4.内視鏡で直接胃の粘膜を採取して調べる検査
の4種類の方法があります。
ピロリ菌の感染診断・除菌治療(1,2次除菌)が保険適用で行える疾患
■胃・十二指腸潰瘍
■早期胃がん内視鏡治療後
■胃MALTリンパ腫
■特発性血小板減少性紫斑病
■内視鏡検査において確定診断がなされた胃炎
上記疾患がない場合には、感染診断・除菌治療は自費診療となります。
1種類の「胃酸の分泌を抑える薬」と2種類の「抗菌薬」の3剤を同時に1日2回、7日間服用します。
自分の判断で服用を中止すると、除菌に失敗して、治療薬に耐性をもったピロリ菌があらわれることがあります。
確実にピロリ菌を除菌するために、指示された薬は必ず服用してください。