
「町医日碌」と題して町医者の日記を随時掲載しております。
神戸から新快速で着いたJR大阪駅は平日の夕方でもインバウンドの外国人も含め人がいっぱいで乗り換えの環状線のホームは中程へ進むのが大変な混雑、やっぱ大阪は人が多いわい、とため息。
大阪城公園駅で降りて向かうのは大阪城ホール。ゾロゾロ歩く人波はわたしと同年配からやや上の老若男女ならぬ老老(〜中年)男女たち。
今宵は待ちに待った竹内まりやのコンサートなんですよ。
実は彼女のこと、当初はただのアイドル歌手と思っておりましたが1984年に発表されたアルバム「ヴァラエティ」の1曲「マージービートで唄わせて」を偶然聴いて、これが我が愛するビートルズへのオマージュと気づいてからシンガーソングライターとして注目するようになりまして、だんだんファンになっていきました。と言っても山下達郎との結婚〜子育てで活動休止の期間も長くツアーも滅多にしない人ですから2014年に今回と同じ大阪城ホールでのコンサートに行って以来11年ぶりのライブです。
6時過ぎにホール到着。
今回のツアーは全国で50万人も応募があったそうですが、幸いにもゲットしたプラチナチケットでアリーナ席に入場して開演の6時半までに客席にはどんどん人が入り立ち見席まで満杯の大入り満員となっていきました。
で、BGMがフェードアウトして、一瞬ライトが落ちた後、闇の中にスポットライトを浴びて主役が登場、♪こんやもおきゃくはまんぱい〜🎵と開演に最も相応しい「アンフィシアターの夜」で始まったコンサートは全く衰えのない、竹内まりや独特の伸びと張りのある、時には少女のような美しい歌声に、バンドマスターである夫の山下達郎が集めた超一流のミュージシャン(今回リードギターには吉田拓郎とずっと一緒だった鳥山雄司がいて嬉しかったんです)たちの素晴らしい演奏とコーラスと相まって至福の時間となりました。
ステージの背後には巨大なスクリーンが設けられ、曲に合わせたCG、例えば「マージービートで唄わせて」の時にはユニオンジャックがはためく英国ペニーレインの街角をビートルズ(と思しき)の4人が走るアニメが映りヴィジュアルでも楽しめました。
「家に帰ろう」「五線紙」「元気を出して」数々のヒット曲やカバー曲を中心にコーラスメンバーとの完璧なアカペラもまじえながらあっという間に2時間が過ぎ、「プラスティックラブ」〜「人生の扉」から大ヒット曲の「駅」で、まずはエンディング。そしてお決まりの拍手に迎えられアンコールの1曲目は山下達郎とのデュエット「All I have to do is Dream」を仲睦まじく歌い終わるとついに「セプテンバー」がぁ〜、あの特長的なイントロの段階で1万人以上のオジンオバンの大観衆は総立ちとなりまして、、、🎶かっらしいっろのシャツ〜🎵と大合唱が始まりましたが、なんと、なんと背後のスクリーンには1980年にテレビで彼女が同じ歌を歌うビデオが流れ、時空を超えてのシンクロに大感激にひたる間も無く「不思議なピーチパイ」が、もう年甲斐もなく涙が出そうになりました。
そして、そしてしばしの静寂の後バンドメンバーが退場しステージにただ一人になって「いのちの歌」を彼女の生い立ちや家族のスライドショーを背景にソロで歌って大団円と相成りました。
拙宅のある神戸の垂水から近いようで遠い大阪城ホール。帰りはJRの乗り継ぎがうまくいかず帰宅したのは11時を回っておりましたが同時代を生きて40年以上フォローしてきた大好きなアーチストの最高のパフォーマンスを堪能でき、その余韻に浸りながら飲んだ宅配の生ビールはこれまたサイコーでした。
さて、竹内まりやはデビュー45年で70歳、夫の山下達郎はデビュー50年で72歳なんですがふたりとも年齢を全く感じさせない熱演に圧倒されました。また次回も是非行きたいのですが、今回が11年ぶりなので次回彼女は80歳…..そんなことはないと思うのですが。
古稀までに少し時間のあるわたしもまだまだしっかり仕事をせなあかんわ、と元気満タンに充電できた夜でした。
著者:みむら内科クリニック 院長 三村 純(みむら じゅん)