「町医日碌」と題して町医者の日記を随時掲載しております。
新年あけましておめでとうございます。
長い休みをとられた方も多いと思いますが年明け早々インフルエンザが猛威をふるっておりますのでどうぞご自愛ください。
わたしもクリニックを9連休にして呑んだくれの日々を過ごしましたが大分県の別府温泉に2泊ほど湯治に行ってまいりました。別府にはたくさんの温泉がありますがその中の明礬(みょうばん)温泉というところにある旅館に宿泊しましたところこれが大正解でして、源泉かけ流しの白濁したお湯は肌に優しくねっとりとしており、熱くないと言いますか、むしろぬるめのお湯でも身体の芯から温まりまして、湯上がりはすべすべお肌で身はポカポカ、この寒い季節にぴったり、いつまでも浸かっていたくなる極上の温泉でした。
温泉バカを自称するわたしは、北は北海道、南は鹿児島県の指宿、屋久島まで今までたくさんのお湯に浸かってきましたが間違いなくベストスリーに入る名泉と思います。
で、正月ですから地元で有名な八幡朝見神社という1196年創建の大社へ初詣にまいりましたところ、幹回りが10m近く、高さはおそらく30mはあろうかと思われる巨大な楠木がご神木として鎮座しておりましてこの迫力に驚嘆するとともに畏敬の念を持ちました。
樹齢はなんと千年以上だそうで、神戸市内にも長田神社や生田神社に大きな楠木がありますが、倍以上の大きさでした。残念ながら周囲は立ち入り禁止で触れることはできませんでしたが、この全国でも有数の巨木を仰ぎ見られただけでご利益がありそうな気がしました。
府明礬温泉と八幡朝見神社のご神木、是非行ってみてください。
http://www.asami.or.jp
さて、2025年の食レポ第一弾はわたしの大好きな天ぷらでございますが、天ぷらといえば客はカウンター席に座って、目の前で店主が食材を解説しながら揚げて、その揚げたてをいただくのがわたしの理想です。
数年前に某天ぷら屋に初めて入った時、カウンターには誰もいないのにテーブル席に案内され、ちょっと嫌な予感はしたんですが一番高いコースを注文したら、なんと全部いっぺんに揚げて大皿に盛って出されました!しかもころもがどれも剥がれかけており、料理のできないわたしが自分で揚げた方がましと思うひどい店もありました。
接客も最低でそれから2度と行ってませんが、こないだ前を通りましたらまだ営業しており、金をドブに捨てる人も多いんかなと思いました。閑話休題。
で、三宮や新地で有名な老舗の天ぷら屋さんは先述の通り目の前で揚げてくれて美味、接客も問題ありませんがわたしのような酒飲みがたらふく食べて飲むとあっというまにひとり2〜3万円になりますので滅多に行けません。
そこで街中華のように安くて気軽に行ける街天ぷらのお店を以前から探しておりまして、ジャーンついにみつけました!
お店は垂水区の星陵台という交差点のすぐそばにある「にし嶋」さんです。
ここの店主は神戸でも有数の老舗である割烹料亭に弟子入り以来、和食ひとすじに40年以上修行され多くのお店や旅館、ホテルの料理長を歴任し2年前にこのお店を開業されました。
カウンターが8席にテーブル席ひとつ、こぢんまりとまとまっております。
さて天ぷらの醍醐味は素材、ころも、あぶら、そして揚げ方、これらのコラボで決まりますがこちらでは丁寧に仕込まれた素材を解説しながら店主が絶妙のタイミングで上げてくれまして、どれもこれもカラッとサクサク、お塩かてんつゆに絡めて口の中に幸せが広がります。
夜はコースのみで前菜にお造り、サラダ、メインの天ぷらはその日の仕入れ状況から6〜7種類、さらに茶碗蒸し、ご飯もの、お吸い物、デザートまでついて、なんと2500円という信じられない破格の安さなんですよ。
わたしが訪れた日の天ぷらは海老から始まり、出汁の染み込んだ大根、ふき、蓮根のはさみ揚げ、クワイ、牡蠣、最後にかき揚げでしたがさらに追加で穴子とヒレもいただいてしまいました。
そしてシメのご飯ものなんですが、天丼と茎わさび茶漬け、大人の卵かけご飯の3つから選べまして、ここは店主おすすめの卵かけご飯が一推しです。
と申しましても卵を揚げて、てんつゆをかけたご飯にのせるだけなんですが半熟直前の絶妙のタイミングで揚げた卵に、ゴマと天かす、お店特製の海苔醤油と茎わさびがご飯と奇跡のコラボとなって、日本一、つまり世界一の卵かけご飯に昇華するのです。
大げさではなく本当に美味いんですよ。
しかもどのお料理も生ビールによく合うのでジョッキを重ねて、さらにデザートをいただくとお腹ははち切れんばかりになるのですが同じボリュームを三宮や新地でいただくと軽く3万円は超えてしまいますのでコスパも最高です。
そして安くて美味しいだけがこのお店の売りではなく一番の魅力は店主、西嶋さんの人柄にあります。
真面目で誠実、優しさが会話を通して理解できまして、この人が作る料理が美味しくないわけがないと思えてくるのです。
諸般の事情により、現在は店主がワンオペで経営されておりまして夜の営業は完全予約制になっています。
必ず事前に電話してください。
お店の駐車場はありませんが Timesが近くにあります。
今回も小文を最後までお読みいただきありがとうございます。
2025年がブログを読んでくださる全ての皆様に幸多い1年となりますように
著者:みむら内科クリニック 院長 三村 純(みむら じゅん)