「町医日碌」と題して町医者の日記を随時掲載しております。
急に温かくなり、クリニック近隣の桜も蕾がふくらんでまいりまして満開の日も間近になってまいりました。
垂水区内にも桜の名所がいくつかありますがわたしのお勧めは垂水健康公園でして、ここの桜並木が満開になりますとその下を歩くだけで幸せな気分になれると思います。
2017年4月1日にこの垂水区舞多聞の地でわたしはクリニックを開院しました。その前後の慣れぬ日々は無我夢中でありましたので当時の桜の記憶は全くありません。そしてあっという間に7年の月日が過ぎまして、先日、正確には上部消化管内視鏡検査、胃カメラが5000件(のべ件数)を越えました。
もちろん20年以上の勤務医の期間にはもっとたくさんの検査をしておりましたが開院以来ひとりで積み重ねた件数には感慨深いものがございます。
当初は経口(口から挿入)内視鏡のみでしたが画質の向上を確認して2019年に経鼻(鼻から挿入)内視鏡を導入、開院5年の2022年に富士フイルムの内視鏡システムに一新しまして現在は殆どの症例を経鼻検査で行っております。
これまでに33例の胃癌、12例の食道癌、2例の十二指腸癌を発見し総合病院につなげました。
また胃潰瘍を59例、十二指腸潰瘍60例、合わせて119例の消化性潰瘍の治療と595例のヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)感染の症例に除菌治療を行い95%の成功率となっておりまして、開院当初の目標でありました地域医療への貢献をある程度果たせたように思います。
そして検査に伴う偶発症(事故)は1件もなくわたしが一番大切と考えます「安全な内視鏡検査」を実践できていると思います。当然のことでございますが、これはわたしひとりの仕事ではございませんので常にわたしを支えてくれるクリニックのスタッフ全員と開院以来応援して下さる多くの友人たちのお蔭と深く感謝する日々であります。
次は10000例ですね、とスタッフや友人に言われますがこのペースですと古希を越えてしまいそうで気力、体力が維持できるかわかりません。が、今後も日々努力を重ね最新の内視鏡診断を勉強しながら精進してまいりたいと考えております。またこの分野もAI診断が実用段階に入っております。
囲碁や将棋と同じように画像診断も人間はコンピュータに勝てるわけがないと思われますので今後導入を検討してまいります。(なんせ高いんですよ)
閑話休題 「院長、口コミで悪口書かれてますよ」と時々スタッフが教えてくれます。
わたし、あの手の書き込み一切みないんです。面と向かって言わずに後から影でコソコソ悪口書くような人は相手にする気はないし、それを読んで来ないと思う人はもともと縁のない人と考えております。
そんな人がこのブログを読むわけもないんですが。
というわけでクリニックは開院8年目にはいります。
拙いブログをお読みくださる皆様に深く感謝しますとともに今後ともよろしくお願い申しあげます。
著者:みむら内科クリニック 院長 三村 純(みむら じゅん)