「町医日碌」と題して町医者の日記を随時掲載しております。
富士山、言わずと知れた日本の最高峰、3776mの活火山で世界遺産です。その頂へ還暦を記念して登ってまいりました。
以下、登頂記でございます。
実は筆者にとって富士登山は3回目です。
同じ山に3回も登ってどうする、と言われましても富士山ですから、としかお答えできません。でも世の中には富士山にとりつかれて毎年200回、通算で1500回も登り続ける人もおられるんですよ。
富士山には4つの登山ルートがありまして登山者の多い順番に吉田、富士宮、須走、御殿場各ルートと呼ばれております。
筆者が選んだのは御殿場ルートでございまして、ここは登山口の標高が他のルートよりも500m〜1000m低く、つまりその分時間がかかってしんどいということなんですが、そのため登山者が少なくハイシーズンでも登山者の渋滞が起きることは殆ど無く自分のペースで上り続けることができるのです。
そして筆者が考える一番のメリットは登山口まで自分の車で行けるということです。他のルートはマイカー規制のため駐車場からバスに乗り換える必要がありますが、御殿場ルートは下山後もすぐに自分の車で帰れるのが楽なのであります。
8月4日(日)午前6時に愛車ハイエースで出発。
名神—東名高速を乗り継いで昼過ぎには富士宮市へ到着、富士山本宮の浅間大社に無事登頂を祈って参拝、丁度縁日が開かれており賑わう町中でみつけた蕎麦屋が実に美味でした。そして御殿場登山口駐車場に午後4時頃に到着しました。
最初に富士山に登った2014年の時は御殿場市のホテルに泊まり、早朝出発したのですが市内は雨が降っており引き返そうかと思っていたところ雲をぬけた途端、宝永火口とともに富士山がヌッと現れ感動しましたが、この日も夕陽に染まる巨大な姿をみることができました。
登山口近くにある大石茶屋が今宵の宿泊先ですが快晴の天気で前に富士山、振り向けばはるか遠くに噴煙をあげる箱根の大涌谷が眺める雄大なパノラマビューを堪能できました。
山小屋の夜は早く6時には夕食、この日はカツカレーでした。
最大30人が泊まれる部屋の宿泊者は筆者ら2人だけと個室状態で、御殿場ルートは登山者が少ないメリットを享受できました。人が多い吉田ルートでは1枚の布団に3人で寝ることもざらにあるようで、それに比べれば天国のようでした。
そして深夜の1時頃に外へ出てみましたら、なんと本当に満天の星空でした。
人工の光が殆ど無い星空がこんなにも美しいものなのかと一晩中眺めていたくなりました。しかもラッキーなことに流れ星もみえたのでした。
でも本番は翌日と、興奮冷めやらぬうちに眠りにおちました。
著者:みむら内科クリニック 院長 三村 純(みむら じゅん)