「町医日碌」と題して町医者の日記を随時掲載しております。
現在、あらゆる分野で人工知能(以下AI)の発展が話題になっております。
既に囲碁や将棋では人間が勝てなくなっています。自動運転もまもなく実用化されそうです。
そして医療の分野でも実際に応用が始まっています。報道された例では、ある稀な疾患に対する治療を世界中の論文を瞬時に検索し適切な治療をAIが選択したというケースがありました。
またCTやMRIなどの画像診断においても膨大な過去の画像データをAIが学ぶことで疾患の特徴を認識し、ある患者の画像から異常所見を指摘することが既に実用段階に入ってきております。同様に内視鏡診断においても早期癌等、病変の特徴をAIが学べば、内視鏡医よりも先にAIが病変に気づくことになるかもしれません。
おそらくは10年以内にAIによる自動診断ソフトを装備した内視鏡機器が発売されると私は思います。
しかしながら、現時点でAIには絶対に無理なこと、内視鏡を患者さんに、安全に挿入すること、これは人間、つまり我々内視鏡医にしかできません。将来、ターミネーターのような高性能ロボットが開発されるまでは安全に内視鏡検査を行い、病変を見逃さないように適切な診断できるように精進、努力してまいります。
当クリニックにおける内視鏡検査は上部(胃、十二指腸)が130件、下部(大腸)が85件と200件を超えました。(2017年9月時点)いずれにおいても安全でできるだけ楽な検査を心がけて行っております。
検査に不安がある方はお気軽にお電話をください。
著者:みむら内科クリニック 院長 三村 純(みむら じゅん)